『パンジー』の育て方

植物マニュアル

パンジーは秋から春にかけて長く楽しめる、初心者の方にも育てやすい冬の代表的なお花です。上手に育てるためのポイントを、準備からお手入れまで詳しく解説します。

パンジーの基本情報

  • 学名: Viola ×wittrockiana
  • 科名・属名: スミレ科スミレ属
  • 和名: 三色菫(サンシキスミレ)、遊蝶花(ユウチョウカ)、人面草(ジンメンソウ)
  • 性質: 本来は多年草ですが、日本の夏を越すのが難しいため、一般的には秋から春までの「一年草」として扱われます。
  • 開花時期: 10月下旬〜5月頃(冬の間も咲き続けます)

パンジー育て方のポイント

日当たりと置き場所

  • とにかく日当たりの良い屋外が大好きです。
  • 日当たりが悪いと、茎がひょろひょろと徒長したり、花の色が悪くなることがあります。
  • 日陰の場合まったく育たないわけではありませんが、花数は激減します。
  • 寒さには強いですが、冷たい北風が常に吹き抜ける場所だと葉が傷み、成長が止まってしまいます。風よけがある日だまりが理想的です。
  • 朝の「凍結」は心配しなくてOK! 冬の朝、パンジーがぐったりと凍って倒れていることがありますが、日光が当たれば自然にシャキッと戻ります。無理に触ったり、お湯をかけたりするのは厳禁です。自力で回復するのを待ちましょう。

水やり

  • パンジーを元気に育てるために、最も失敗しやすいのが実をいうと「水やり」です。
  • 土の表面を指で触ってみて、サラサラと乾いて白っぽくなっていたら、水やりのサインです。 鉢植えの場合、鉢の底から水が流れ出てくるまでしっかり与えます。これにより、土の中の古い空気が押し出され、根に新鮮な酸素が届きます。
  • 冬は必ず「晴れた日の午前中」に。夕方の水やりは厳禁です。夕方に水をやると、夜の間に土の中の水分が凍り、根を傷めて株を枯らす原因になります。午前中に与えることで、夜までに余分な水分が蒸発し、凍結のリスクを下げられます。
  • 地植えの場合、 根付いた後は、基本的には雨水だけで十分です。何日も晴天が続いて地面がひび割れるほど乾いている時だけ、午前中に与えてください。

用土

  • 市販の草花用培養土で問題なく育てられます。
  • 自分で配合する場合は、赤玉土6:腐葉土4の割合などが適しています。

肥料

  • 開花期にはたくさんのエネルギーを必要とするため、定期的な肥料が必要です。
  • 植え付け時に、元肥として緩効性化成肥料を土に混ぜ込んでおきます。
  • 開花期には、月に1回程度の緩効性固形肥料、または10日に1回程度の液体肥料を与えると、花付きが良くなります。
  • 12月〜2月(厳寒期): 気温が低すぎるとパンジーも「お休みモード」に入り、根が肥料を吸い上げる力が弱まります。この時期に肥料を与えすぎると、根を傷める(肥料焼け)原因になるため、いつもの半分程度、または中止にします。
  • 3月〜5月(最盛期): 暖かくなると爆発的に成長します。この時期に肥料が切れると、一気に株が衰えてしまうので、定期的な追肥を続けてください。。

花がら摘み

パンジーを5月まで長く、溢れるように咲かせるための最重要作業が「花がら摘み」です!

1. 花がら摘みのタイミング

見極め: 花びらが丸まってきたり、色が褪せてしおれてきたら摘み時です。
理想: 完全に枯れ落ちる前に摘むのがベストです。見た目も美しく保てます。

2. 正しい摘み方(ここがポイント!)

花びらだけをちぎるのはNGです。
茎の根元を確認: 花がついている茎(花柄)をたどり、株の付け根(葉の付け根付近)を確認します。
根元から折り取る: 茎の根元を指先でつまみ、横に倒すようにすると「ポキッ」と簡単に折れます。
ハサミを使う場合: 指でやりにくい場合は、清潔なハサミで根元ギリギリをカットしてください。

なぜ根元から?

茎を途中で残すと、その残った茎が腐って病気の原因になったり、種を作るエネルギーを消費し続けたりするためです。

3. 「花がら」と「蕾(つぼみ)」の見分け方

慣れないうちは、これから咲く蕾を間違えて摘んでしまうことがあります。
蕾(つぼみ): 触ると硬くてハリがあります。下を向いていることが多いですが、先端がツンと尖っています。
花がら(終わった花): 触ると柔らかく、しなしなしています。花びらがしぼんで、中心部が膨らみ始めているものは、すでに種ができ始めています。

4. 季節ごとのアドバイス

冬(12月〜2月): 成長がゆっくりなので、週に1回程度のチェックで十分です。
春(3月〜5月): 暖かくなると次々に花が咲き、終わるスピードも早くなります。3日に1回、あるいは毎日チェックして摘んであげると、驚くほど花数が増えます。

病害虫

  • 灰色かび病: 花弁に褐色の斑点が出たり、茎や葉に灰色のカビが生える病気です。風通しを良くすることで予防できます。
  • アブラムシ: 新芽や茎、葉の裏について吸汁し、株を弱らせます。見つけ次第、すぐに駆除しましょう。
  • ナメクジ(雨の多い時期):花びらや新芽が食べられ、通った後にキラキラした筋が残ります。鉢の下や裏に潜んでいることが多いのでチェックします
  • ツマグロヒョウモン(幼虫):オレンジと黒のトゲトゲした毛虫です。パンジーの葉を猛烈な勢いで食べます。見つけ次第、箸などで取り除きます。